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代表的な構造−継手との組立て方式

(1)溶接構造

フレキシブルチューブの溶接で用いられる溶接法はTIGと呼ばれるもので、不活性ガス(アルゴンガス)の雰囲気中でトーチからアークを出しその熱で2種以上の金属を溶かしそれらを接合するものです。
不活性ガスを使用するのは空気中の酸素を遮断し酸化を防ぐためです。そのとき母材と成分的に似た溶接棒が使用され、それも溶かしながら溶接は行われます。もとの材料(母材)及び溶接棒が溶かされ、それらが混ぜあわされるわけですから局部的に鋳物合金を作っているようなものです。単に混ぜただけでは含まれる成分Nよっては冶金的に不安定で割れが生ずることもあります。
そこで溶接棒を加えそれを改善します。
さて、フレキシブルチューブの溶接でもっとも一般的な方法はチューブにブレードをかぶせ、その端に「ブレード押さえ」と呼ばれるステンレスのリングをセットした上で三点を同時に溶接し、(現場では「ワッパ付け」と呼ばれる。)その後、ラップジョイントとかネジ金具とかをその上にのせて溶接するやり方です。(「頭付け」と呼ばれる。)
同時に先端の金具も溶接できれば時間も短縮できてコストも下がるのですが、品質上の問題が残ります。
チューブもフレードも薄い肉厚(小さい径)ですから、溶接時比較的低い電流で溶かしながら溶接をすることが必要です。
一方、先端の金具は肉厚が大のため電流を上げないと溶けません。電流を上げると今度はチューブが溶けすぎて大きな穴が開いたりすることもあり適切な溶接ができません。そこで一旦比較的肉厚の薄いリングを用いて溶接したものを作り、その後金具をより高い電流で溶接するわけです。
溶接時、電流値や溶接速度の管理(溶接作業者自身による管理)が不適切ですと溶接付近、熱影響部(「溶接2番」と呼ばれます)の金属組織が粗大化し、場合によっては、「鋭敏化」と呼ばれるクロム炭化物の結晶粒界への析出が起こり耐食性が低下することがあります。
また、耐食性だけでなく溶接部付近のブレード材の機械的強度が損なわれ耐圧性が低下するケースもあります。中入れ式のフランジタイプはこの傾向があるので高温では使用を避けるべきです。

(2)溶接なし構造

溶接なしで金具を組み込むためには端末の波形の1山又は山数を圧着するかフレアするかしてシール面を形成する方法をとります。
スパイラルの場合は一旦波形を直線状にし(「スウェージング」といいます。)次に内側からふくらませて一つ山形状の波形を作るか。フレアします。良好なシールを得るためにはいかに均質なシール面を得るかにかかっています。
例えば、フレアタイプでは縦溶接線のビードの盛り上がりはリークを発生させる一つの要素になります。
したがって、チューブを生産するときに溶接ビートが裏に出すぎないよう管理する必要があります。
一方、圧着してシール面を形成するタイプでは、ふくらませる時割れないようしっかり溶接を盛ることが必要になります。
溶接なしブレードを固定するには「かしめ」、が最も確実な方法です。口径が大きくなっても(250Aあたりまで)この方法であれば加圧時の抜けは避けられます。
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